デザインは見た目だけでなく、メッセージを伝えるための言葉も重要な要素として位置づけられています。
その中でも特に「キャッチコピー」は、デザイナーとしてのスキルを磨くうえで欠かせない知識といえるでしょう。
“キャッチコピー” とは
キャッチコピーは、キャッチフレーズやヘッドラインとも言い、分かりやすい文章で短く伝えるのが基本です。 キャッチコピーという言葉は、和製英語で、英語では「Advertising slogan」と言います。
商品・サービスなどの特徴を的確に表現した上で、人の目に留まり、人の心に響き、人の心を動かし、購買行動に 繋げることができるのが理想です。
“キャッチコピー” の作り方とコツ
作り方
キャッチコピーは誰に向けて書かれているのかを明確にすることが大切です。
何が他の製品と違うのか、そのユニークな点をまとめます。
ただの事実を述べるだけでなく、感情に訴える言葉を選ぶことで印象が深まります。
余計な言葉は省き、必要な情報だけを伝えるように心掛けます。
コツ
できるだけ多くの切り口や視点を探していく作業。
どんどん、キャッチコピーのアイデアを書き散らかします。
たくさんのキャッチコピーの切り口の中から、「受け手にとって本当に意味がるものはどれか」という視点で選定していきます。
受け手にとってわかりやすく印象深いものにするために、言葉をブラッシュアップしていきます。
“広告コピー” の種類
- ①サブキャッチコピー
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キャッチコピーの補足となる短いフレーズや文章。
メインのキャッチコピーを強化したり、補完する役割を果たします。 - ②リードコピー
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記事や広告などの最初の部分で、読者の興味を引くための短い文章。
リードコピーは、内容への関心を喚起し、読み手を全文へと導く役割を持ちます。 - ③ボディコピー
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広告や記事のメインの文章部分。
詳しい情報や製品の特長、物語などの内容が展開される部分です。 - ④見出しコピー
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記事や広告の主題や内容を簡潔に伝えるタイトルやサブタイトル。
読者の注意を引きつけ、内容についての先入観や期待を形成します。 - ⑤ショルダーコピー
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見出しやキャッチコピーの上部や周りに配置される小さなテキスト。
追加情報や補足、キャッチコピーの前提を提供する役割を果たすことが多い。 - ⑥キャプション
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写真やイラスト、グラフなどのビジュアル要素の下や横に配置される短いテキスト。
そのビジュアル要素の内容や意義を明確にするための説明です。 - ⑦スペック
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製品やサービスの技術的な仕様や特長を示す情報。
例えば、電子機器の場合、サイズ、重量、バッテリー寿命、処理能力などの詳細なデータがスペックとして挙げられます。
“キャッチコピー” の種類
キャッチコピーは、商品や作品の広告・告知などで用いられることが多いのですが、実はキャッチコピーにも目的によって「イメージキャッチコピー」と「セールスキャッチコピー」2つの種類に分けられています。
イメージキャッチコピー
企業、サービス、そして商品などのイメージを定着させるために使われます。
セールスキャッチコピー
言葉でターゲットの興味や関心をひきつけることで、特定の行動を起こしてもらうことが目的で使われます。
“キャッチコピー” の考え方
・ターゲットは「誰」なのか
・「何」を伝えたいのか
・商品の特徴
・アピールポイント
・メリット、デメリット
・他社製品との違い
・具体的な数字を用いる
例)カップラーメン : お湯を注いで3分間、サプリ : 1週間で3キロ減
・好奇心をくすぐる
例) 脂肪の吸収を抑える、食べるだけで痩せる
・名前を覚えて欲しい
・行動方針を知って欲しい
・商品の特徴を知って欲しい
・商品を購入して欲しい
・短く、ゴロ良く、テンポ良く(リズム感)
例) すぐおいしい、すごくおいしい
※人が一瞬で認識できる文字数は、10~15文字
キャッチコピーで使えるテクニック
オノマトペ
オノマトペとは擬音語や擬態語のこと。
擬音語は「ジュージュー」「コトコト」「グツグツ」と音を表現するもので、擬態語は「つやつや」「ほかほか」「スキッと」という情景を表現するものです。
質問(あなただけに向けているメッセージ性)を投げかける 【 バーナム効果 】
人は、質問を投げかけられるとどうしてもそのことについて考えてしまいます。「答えが知りたくなると、人はその内容に見入ってしまう」という心理を使った表現です。
例)現状に満足していますか?、失敗はしたくないと思っていませんか?
不完全あるいは中途半端にさせてユーザーを引き付ける 【 ツァイガルニク効果 】
中途半端に情報を与えて「続きはWEBで」のようにすることで余計に続きが気になるようにさせる効果ができます。
例)人生を楽しむたった一つの方法とは?、金の産出量の多い国。第3位は、アメリカ。第2位は、オーストラリア。第1位は…
禁止や制限をかけてユーザーを引き付ける 【 カリギュラ効果 】
禁止や制限をされるとその行為をしたくなってしまう心理を使った表現です。
例)絶対に〇〇しないでください、本当に痩せたい人以外は読まないでください
狙ったターゲット層の興味を引きつける 【 カクテルパーティー効果 】
たくさんの人がそれぞれ雑談している中でも、自分の興味関心のある会話や必要な情報だけは自然と聞き取ることができる現象をを使った表現です。
例)集客にお悩みのあなたへ、朝起きるのが苦手なあなたへ