広告基礎
広告とは
企業や団体による、商品・サービス・アイデアなどを特定のターゲットに伝達するための告知やメッセージを周知させることです。
英語では「Advertisement」といい、日本でもAd(アド)と略称で呼ばれることもあります。
広告は、マーケティング活動の一部です。
“広告” と”PR”の違い
“広告” と”PR”は普段からよく耳にする言葉ですが、この2つの言葉には違いがあります。
“広告” の5要件
広告主がはっきりしていること
広告主がはっきりしていることは、広告の信頼性や透明性に関わる重要な要件です。
消費者は、広告主が誰であるかを明確に知っていることで、商品やサービスに対しての信頼感を持つことができます。
特定のターゲットが想定されていること
広告は、特定のターゲット層に向けて作られます。
そのため、広告を作成する際には、ターゲット層の属性やニーズを考慮して、適切なアプローチを選ぶ必要があります。
伝えたい内容があること
広告は、広告主が消費者に伝えたい情報を効果的に伝えるために作成されます。
商品やサービスの特徴や価値、使い方や購入方法など、伝えたい内容が明確になっていることが必要です。
有料のメディアを通して行われること
広告は、有料のメディアを通じて展開されることが一般的です。
テレビやラジオ、新聞や雑誌、インターネットなど、広告を出稿するメディアによって、広告のアプローチや効果が異なります。
広告主がなんらかの目的を持って行うこと
広告主は、商品やサービスを宣伝することで、売上や知名度を向上させることを目的としています。そのため、広告は、広告主が目的を達成するための手段として活用されます。
広告の種類
Web・インターネット広告
インターネットに存在するWebサイトやSNS、検索エンジンを活用した広告です。
リスティング広告(検索連動型広告)
検索エンジン上でのキーワード検索結果として表示される広告。ユーザーが入力したキーワードに関連する広告が表示されるので、関心が高いユーザーにターゲットを絞って効果的にアプローチできる。
ディスプレイ広告
ウェブサイトやアプリのページ上に表示されるバナーや画像形式の広告。
視覚的に目立つため、ブランド認知の向上や商品・サービスの紹介に効果的。
ネイティブ広告
コンテンツと同じフォーマットやスタイルで表示される広告。ウェブサイトやアプリの内容に埋め込まれ、一見すると普通のコンテンツのように見える。ユーザーの体験を邪魔しない形で情報を提供する。
SNS広告
ソーシャルメディアプラットフォーム上で表示される広告。ユーザーの興味・行動履歴に基づいてターゲティングされることが多く、シェアやコメントなどのインタラクションを促進する。
動画広告
動画コンテンツとして配信される広告。YouTubeや動画配信サービスなどで見ることができ、視覚・聴覚の両方を使って情報伝達が可能。ストーリーテリングや感情的な訴求が得意。
デジタル音声/オーディオ広告
音声コンテンツとして配信される広告。ポッドキャストや音楽ストリーミングサービスなどで聞くことができる。視覚情報に頼らず、音声だけでメッセージを伝える。
ヒューマン広告
人(個人)を広告塔にすることで情報発信する広告です。
アフィリエイト広告
ウェブサイトやブログ、SNSなどのメディア上で商品やサービスを紹介し、その紹介からの購入やアクションが発生した場合に紹介者に報酬が支払われる広告手法。紹介者はリンクやクーポンコードを通じて収益を得る。
インフルエンサー広告
インフルエンサーと呼ばれる、特定の分野やSNS上での影響力が高い人物を起用して商品やサービスを紹介・宣伝する広告。インフルエンサーのフォロワーやファンとの信頼関係を活用して効果的なプロモーションを行う。
ライブ配信広告
リアルタイムの動画配信中に表示・紹介される広告。配信者が商品の紹介を行うことや、配信中の動画内で広告が挿入される形態などがある。視聴者とのリアルタイムなコミュニケーションを活用して、商品やサービスの魅力を伝える。
マスメディア広告
4大マスメディアであるテレビ、新聞、雑誌、ラジオから発信される広告です。
テレビ広告(CM)
テレビ番組の間に放送される短い広告。広範囲の視聴者にリーチ可能。
新聞広告
新聞のページ内に掲載される広告。信頼性が高く、主に中高年層へのリーチが得意。
雑誌広告
雑誌のページ内に掲載される広告。ターゲットを特定の興味・趣味の層に絞ることができる。
ラジオ広告
ラジオ番組の間に放送される広告。移動中や作業中のリスナーにアプローチ可能。
セールスプロモーション(SP)広告
イベントやDM・チラシなどのオフラインを中心に販売促進を目的とした広告です。
チラシ広告
紙のフライヤーやリーフレット形式の広告。ポスティングや店頭配布など、地域密着型のプロモーションに有効。
交通広告
電車、バス、タクシーなどの交通機関や駅・バス停に掲示される広告。
屋外広告・OOH広告
道路沿いやビルの壁など、屋外の目立つ場所に設置される大型の広告。
DM広告
郵送で個別の顧客や見込み客に直接送られる広告。パーソナライズが可能。
イベントプロモーション
イベントやキャンペーンを通じて商品やサービスを宣伝する手法。
その他
デジタルサイネージ広告
公共の場所や店舗内に設置されたデジタルディスプレイで放映される動画や静止画の広告。
ジオターゲティング広告
ユーザーの現在位置や過去の訪問場所に基づいて配信される広告。
メタバース広告
仮想空間やバーチャルリアルティー内での広告。新しいデジタル空間でのブランド露出やプロモーションが可能。
“広告”の目的
広告は、情報をもっとも効率的に伝えられる手段です。
様々な媒体(メディア)を通して伝えられるので、不特定多数の人に効率的に情報を受け取ってもらえるという大きな利点があります。
“広告”の四大要素
広告は、単に商品やサービスを売る手段ではなく、消費者と企業をつなぎ、社会や文化に影響を与える存在です。この四大要素をバランスよく活用することで、より効果的な広告戦略を構築できます。
情報伝達機能
さまざまな情報を消費者に知らせる機能
例: テレビCMやWeb広告で新製品の発売日や特長を紹介する。
説得機能
情報を伝えるだけではなく、ターゲットの意識を変えたり、行動をうながす機能
例: 「この洗剤は環境に優しく、他の製品よりも汚れがよく落ちる」と強調する広告。
関係強化機能
広告主(クライアント)とステークホルダー※ との関係を強める機能
例: ブランドのストーリーや理念を伝える感動的な広告キャンペーン。
※株主・経営者・従業員・顧客・取引先のほか、金融機関、行政機関、各種団体など、企業のあらゆる利害関係者を指す言葉
文化的・社会的機能
広告そのものが作品として楽しまれたり、広告の内容が社会的に影響を与える機能 (例:使用されている楽曲がヒットする、タレントが人気になる など)
例: 多様性や環境問題をテーマにした広告が、社会的な意識変革を促す。