CI(Corporate Identity)とは?
企業やブランドの「アイデンティティ」、つまり「企業の個性」や「存在意義」を表現するための戦略のことです。
CIは、企業のビジョンやミッション、理念などを内外に示し、その企業が「どのような存在でありたいか」を伝える役割を持っています。
具体的には以下の3つの要素で構成されています
MI(Mind Identity):企業理念
- 企業の価値観やビジョン、使命(ミッション)などの「考え方」を指します。
企業がどのような社会貢献を目指しているのか、どんな価値を提供したいのかを明確にする部分です。
BI(Behavior Identity):行動指針
- 企業の社員がどのように行動し、お客様や社会と関わっていくかを示す「行動の基準」です。
例えば、「お客様第一主義」や「環境への配慮」といった行動方針がこれにあたります。
VI(Visual Identity):視覚的表現
- ロゴやカラー、フォントなど、視覚的なデザイン要素で企業の個性を表現します。
VI(Visual Identity)とは?
CIの一部で、企業やブランドの「見た目」に関する部分です。
企業のビジョンや理念を視覚的に伝えるために、デザイナーが一貫したルールに基づいてデザインします。
具体的には以下のような要素があります。
ロゴ(Logo)
- 企業やブランドを象徴するマークやシンボルです。
例えば、AppleのリンゴマークやNikeのスウッシュなど、見るだけでその企業を思い出すことができるものです。
カラー(Color)
- 企業のイメージカラーやブランドカラーを決めます。
例えば、コカ・コーラの赤やスターバックスの緑などが挙げられます。色には心理的な効果があり、その企業がどのような印象を持たせたいかによって選ばれます。
フォント(Font)
- 企業が使用する書体や文字のスタイルです。フォントによっても企業の印象は大きく変わります。
例えば、高級感を出したい場合は、筆記体のようなエレガントなフォントを使用することがあります。
デザインルール(Design Guidelines)
ロゴやカラー、フォントなどのデザイン要素の使い方を統一するルールです。
これを守ることで、どの広告や製品でも「この企業だな」と認識してもらいやすくなります。
VIとCIの違いは?
簡単にまとめると、CIは企業の「内面」を表すもので、企業の「考え方」や「行動指針」を示すものです。
一方、VIはそのCIを「外見」で伝えるための「見た目」部分を指します。
VI・CI作成の注意点
1. 企業やブランドの理解を深める
- 企業理念やビジョンを把握する: 企業やブランドの理念、価値観、目指す姿をしっかり理解することが、デザインの根底にあるべきです。表面的なデザインをするのではなく、そのブランドの「核」を反映させるよう心がけましょう。
- 競合分析を行う: 同じ業界や分野の競合企業のVI・CIを調査し、差別化ポイントを見つけましょう。他社のデザインと似てしまうと、個性が伝わりにくくなります。
2. シンプルさと一貫性を重視する
- シンプルでわかりやすいデザインを心がける: ロゴやカラーはシンプルで認識しやすいものが好まれます。複雑すぎるデザインは視覚的に混乱を招くことがあります。
- 一貫性を持たせる: すべてのデザイン要素(ロゴ、カラー、フォント、レイアウトなど)において、統一感を持たせることが大切です。たとえば、使用する色や書体のルールを定め、それを全ての媒体で守りましょう。
3. ターゲットを意識する
- ターゲット層に合わせたデザインを行う: デザインは、誰に向けて発信するのかを明確にする必要があります。年齢層、性別、趣味嗜好などを考慮し、ターゲットに響くデザインを心がけましょう。
- 文化や習慣の違いを考慮する: 特に海外市場をターゲットとする場合、文化や習慣の違いに配慮したデザインが求められます。色やシンボルが持つ意味は国や文化によって異なるので注意しましょう。
4. 色とフォントの選定に注意する
- 色の心理効果を理解する: 色には感情や印象を左右する効果があります。例えば、青は信頼感を与え、赤は情熱や興奮を表現します。選ぶ色がターゲット層やブランドイメージに合っているか確認しましょう。
- 読みやすさを考慮する: フォント選びも重要です。おしゃれなフォントを選ぶことも大切ですが、読みやすさが最優先です。特に小さなサイズや印刷物での視認性を確認することが重要です。
5. 柔軟なアイデアを持つ
- 最初から完璧を目指さない: 初めから完璧なデザインを作ろうとせず、アイデアをたくさん出し、そこからベストなものを選んでいくプロセスを大切にしましょう。
- フィードバックを取り入れる: 自分だけで作業するのではなく、他の人から意見をもらうことで新しい視点や改善点に気づくことができます。特に初心者のうちは、講師や先輩のアドバイスを積極的に取り入れましょう。
6. デザインルールを守る
- デザインガイドラインを作成する: 完成したデザインを他の媒体や場面でも同じように使えるよう、デザインルールを明文化しましょう。例えば、ロゴの使用方法、カラーコード、フォントの使い方などをまとめた「デザインガイドライン」を作成することが望ましいです。
7. 著作権や商標に注意する
商標登録を確認する: ロゴや名称をデザインする際、既に商標登録されていないかを確認しましょう。類似の商標がある場合、使用を避けるか、異なるデザインを考える必要があります。
既存のデザインを無断で使用しない: 他人のデザインや画像、フォントを無断で使用すると、著作権侵害になります。必ず権利を確認し、必要な場合は許可を取得しましょう。